なんだか調子が悪いお子さん

きついだるい頭が痛いおなかが痛い朝起きれない学校へもいけない。
何らか病気でないか調べても、とくに問題はないと言われる。でも調子悪いんです。いくつかの要因があります。

生活習慣と食事

なんだか調子が悪い時の対応の原則は生活習慣と食事の見直しです。薬だけでちゃっちゃと治ることはありません。適切な食事と十分な睡眠とが基本となります。当院では採血による栄養のかたより(炭水化物や脂質の過剰摂取、タンパク、鉄分、ビタミンB群、亜鉛などミネラルの不足)などチェックし食事の見直しの必要性を考えます。睡眠に関しては生活スタイルのチェックと睡眠の質の検査を行います。まずはここからでしょう。

起立性調節障害

自律神経失調症などとも言われます。特に朝方血圧が上がらずにきつくてだるくて起きられないため学校に行けなくなってしまいました。血液は重いのでどうしても体の下の方にたまります。通常は自律神経が働いて、下にたまった血液を脳に送りますがそれがうまくいきません。起立負荷試験を行います。寝ている時の血圧と立ち上がったときの血圧を比較、立ち上がると血圧が下がってまっさおな顔色になってふらふらするなどあれば起立性調節障害です。血圧を上げる飲み薬や漢方薬の出番です。

睡眠時交感神経過活動、睡眠相後退症候群

自律神経にはさまざまな働きがありますが、睡眠をコントロールするのも仕事です。起きているときは交感神経が働いて元気を保ちます。寝ているときは副交感神経が働いて体がリラックス、ぐっすり眠ります。起きているときと寝ている時の自律神経の切り替えがうまくいかないと寝ていても交感神経が活発に働いてよく眠れなくなります。睡眠時交感神経過活動です。切り替えはうまくいくのですが切り替わるタイミングがずれてしまって、副交感神経による眠りが深夜3時ごろになれば目が覚めるのは11時くらい。これが睡眠相後退症候群です。速い時間に寝付くための準備、儀式、生活様式のアドバイス、ならびに睡眠をコントロールし、眠りを深める漢方薬を使います。

頭痛、めまい

つらい頭痛、めまい、深刻な病気が隠れていることもありますが、多くは生活習慣の乱れと体質です。頭痛に関しては頭痛ダイアリーによる状況の把握から開始、薬物療法(頭痛薬、片頭痛治療薬、漢方薬)の処方を考えます。めまいも同様です。

食欲がない、おなかがいたい、下痢が続く

おなかの症状は多分に心のつかれからくるものです。病気が隠れていないようならば(意外と便秘だったりする)、うまく働いていない胃腸を整える漢方治療がメインになります。胃腸の弱りをとる、うまく動かなくなった腸を動かしてながす、食欲増進など、症状に応じて選びます。